第一回の Logistica ですが、「サイトの個性」というテーマでしたから英単語の話を誰かするかなと思っていたのですが、どなたもされませんでした。日本語の「個性」という語は日常生活で使用する点ではそれほど曖昧ではありませんが、考察を進めるときに用いる語としてはかなり曖昧なところがあります。それは多数の概念をまとめて引き受けているからです。

そういう語は往々にして他の言語に落としてみると意味が明瞭になるということがわりとよくあります。例えば「個性」を英語に翻訳するなら「individuality(個体性)」や「personality(個人性)」といったように訳し分けることができます。また、通常、「個性」とはあまり訳されないかもしれませんが、「distinction(差異・特徴)」のような語も使うことができます。

これらを主にして間違いやすいのは「originality(独自性)」、ウェブ上では「character(性格・特徴/キャラクタ)」との区別を意識することも大事だと思います。どちらかというとテキストサイトは「中の人のキャラクタ」を個人ニュースサイトは「サイトのオリジナリティ」を重視される傾向にあるかもしれません。

ちなみに、オリジナリティとキャラクタとその他を区別するという発想は Parallels 2 主催「10:00」さんの日記 Not Ten O’clockこちらの記事 で指摘されています。いや、もしかすると指摘したわけではないのかもしれないけれど、僕はその記事に触発されて、このテキストを書いています。