こんな昼間に英語かよ

「黒板ぽ」さんで「習慣は第二の天性である」という文を発見したので、それに関してちょっと書きます。僕がわりと好きだということもあってたまに登場しますが、『心理学原理』の著者ウィリアム・ジェイムズが言っています。

“Habit a second nature! Habit is ten times nature”,the Duke of Wellington is said to have exclaimed ; and the degree to which this is true no one probably can appreciate as well as one who is a veteran soldier himself. The daily drill and the years of discipline end by fashioning a man completely as to most of the possibilities of his conduct.
WILLIAM JAMES,Psychology,Briefer Course

訳すと、

「習慣が第二の天性だと! 習慣は天性の十倍も力強いのだ」とウェリントン公は叫んだといわれるが,この言葉がいかに真をうがっているかということは,おそらく,自ら千軍万馬の古強者である軍人ほど十分にこれを理解しうる人はあるまい。日々の訓練と長年にわたる紀律とが,ついには,人間が行動に表しうるたいていのことに関して,人間を完全に作り変えてしまうのである。

ウィリアム・ジェイムズ,『心理学』

です。というわけで、そういうわけなのだそうです。この文章は原仙作『英文標準問題精講』の練習問題にも収録されていたので、もしかすると知っている人も多いかもしれないです。上記の訳文も、ちょっと気にいらない部分もあるのですけど、そちらの本から引用させていただきました。

でまあ、わりかし納得できるところなのですが、むしろ「第一の天性」はなによとか、そもそも「天性」ってなにみたいなところでかなり躓きそうです。というか誰が訳したのか知らないけど「nature」を「天性」と訳すのはいいのか、「本性」とか「本質」とどういうニュアンスの違いがあるのかとか気になりますよね。日本語にすると「ますますわけがわからない」ということは往々にしてあるので注意しなきゃだなと思います。

興味のある方は「原著」や邦訳「上巻」及び「下巻」岩波書店からでているのでどぞ。