11月20日付けの読売新聞の社説です。ところで、思いのほかすぐに当該記事が削除されてしまったため、内容を保存するのを忘れていました。もし中略部分の内容をご存知の方、あるいは保存していらっしゃる方がいたら教えて下さい。お願いします。

「審議を尽くせ」と言いながら、審議を拒否する――。国会を空転させてばかりいたかつての社会党のような姿に、民主党もさすがに恥ずかしいと思ったのだろう。衆院での与党による教育基本法改正案の採決を不服として国会審議を全面的に拒否していた民主党など野党各党が、きょうにも国会の正常化に応じる見通しとなった。この間の民主党の国会対応は、参院特別委員会への委員推薦を拒み、教育とは何の関係もない法案の審議にも応じないなど、旧社会党が常套(じょうとう)手段とした抵抗戦術そのものだった。


小沢代表はかつて自著の「日本改造計画」で、「過半数が賛成している案を、少数のダダっ子がいて、その子をなだめるために、いいなりになってすべてを変えてしまう」のは「少数者の横暴」だと批判していた。小沢代表としても、まさに「少数のダダっ子」としか形容しようがない国会戦術を、いつまでも続けるのは難しかったということではないか。


(中略)


野党統一候補を擁立して臨んだ沖縄県知事選は敗北に終わった。党内にも、基地反対を掲げる候補を支援することに、「我々の安全保障政策への重大な疑念を招くことになる」と危惧(きぐ)する声が出ていた。政策抜きの“野合”を優先したことも、敗因の一つではないか。


民主党の若手から「抵抗野党からの脱却」を基本とする本来の姿に戻るべきだとの声が強まったことも、国会正常化への方針転換を促したのだろう。民主党は、防衛庁の「省」昇格関連法案でも、いまだに法案への賛否をはっきりさせていない。これも、法案に絶対反対の共産、社民両党との関係にヒビが入ることを恐れてのことだろうが、民主党内には「法案が採決されれば賛成する」と広言する議員は数多くいる。


基本政策で相いれない党との共闘は、かえって党内の混乱を誘うだけだ。教育基本法の改正や防衛「省」昇格のような国の基本にかかわる法案こそ、民主党が建設的な論戦をリードすべきではないか。それこそ、真の責任政党の取るべき態度である。