誰に訊けばわかるんだ?

ローマ数字の掛け算ってどうやっていたのでしょう? どの書籍にあたればわかるのかも不明だし、ググッてみてもなにもわからないので(別に期待してなかったけど)知り方を含め、なにか知っている人がいたら教えて下さい。気になっています。まさかローマの人たちって掛け算してなかったとか? 全部足し算で処理してたのかな。

もともとローマ数字って計算するのにむいていないし、だから計算機(算盤)が発達したってのもあるんだろうけど、それにしたって掛け算できなきゃ不便だよね。百歩譲って掛け算は全部足し算で処理していたとして、割り算できないじゃん。分け前を七人で分けるとかいうときに、なんかすごい絶望的な気持ちになりそうだよ。計算できないから、このなかで二人殺そうぜみたいな話になりそう。

ちなみにローマ数字(Roman numerals)てのはこの下の連中です。もっと大きい数の略記法もあるけど、記号としては下の七つが基本セット(だと思う……Cが引っ繰り返ったりするけど)。もちろん、括弧内はアラビア数字(Hindu-Arabic numerals)。「centi-」とか「cent」とかで「C」は残ってるし、「milli-」とかで「M」も残ってるからわりと直感的にわかるかも。余分なことだけど「D」が紛らわしい。「demi」とか「deci」とか「deca」かと思う。

 I(1) V(5) X(10) L(50) C(100) D(500) M(1000)

ただ、ローマ数字の表記は「左側にボリュームのある数字が来る」ので実際に表記するときは「MDCLXVI(1666)」という順番になります。だから「IX(9)」とか略記する場合は「左に記号を足すことで数が減る」ことになるのだ。理屈上そうなってないと混乱するから、たぶん。

アラビア文字みたいに記号の位置で桁を表現する方法(positional notation)だったり、記号の位置で表示するっていう便利なシステムじゃないけど漢数字の「千」「百」「十」みたいに、せめて「桁(digit)」の概念があれば掛け算も容易だと思うのだけど(桁ごとに全部かけてけばいい)あきらかにローマ数字ってないよね、桁が。

それとも一見してわからないだけで桁があるってことになるのか(一見してわからなかったらだめなような気もするが)。というか、ローマ数字は五進数でいいんだろうか。ゼロの概念がないから底(radix)が4(?)の五進数? ていうか「V」とか「X」とかすごい「有り合わせで間に合わせた」感が漂ってるのだけど、これはどの程度特殊な記号なのかがミステリ。かなりモナディック(タリー?)な雰囲気を漂わせてるぞ。

そもそも「4」とか表記するときに「V(5)」を先取りして「IV(4)」にしていたのだろうか。いや「4」はまだ「IIII」でいいとして(時計とかこういう表示だし)、「IX(9)」は「X(10)」から引いてやるんだよね。ひとつ足して「X(10)」にするときに書いたものを「削る」ってすごい不自然な気がする。順番通りにすると「VIII(8)」→「IX(9)」→「X(10)」だよ? 違和感ありマクリーナだよ。いったい、どういう発想で計算してたんだ、ローマ人は!?